紫電とあるはずのない出会いを果たしたリアは事情を話すと
自分の目的と紫電の目的が同じであることがわかった
かくして二人はユウ達を探すために旅に出たのだが・・・

紫電「・・・・どこだ・・ここは」

「・・どこ?」

二人共々迷っていた・・
当然、紫電も方向音痴である
この小説に出てくる人物に方向音痴が多いような気がするのは気のせいだろうか

おかしぃなぁ・・それらしい足跡辿ってきたつもりなんだけど・・
もしかして間違えたのかな・・・

紫電「(・・・あの後俺はユウを探しに出かけたが・・結局今まで手がかりはなし
    リア・・とか言ったな・・ユウから話は聞いたようだが・・)」

「あの・・どうしたんですか・・?」

紫電「いや・・なんでもない」
  「(ん・・今思えば・・あいつの最後の言葉の中に「刻星」と「シエル」ってのがいたな)」


物静かな人だな〜・・

お互いに色々と考えながら途方もなく歩き続ける
広い平野ばかりが続いた
行けども行けども何も見えない
未解明の土地とはこういうものなのだろうか

紫電「・・・疲れたな・・少し休むか」

「あ、はい・・」

リアの疲れを察したのか、それともなんとなくなのか
紫電の提案で休憩を取る二人

・・・・・・・・・・・・しばし無言が続く・・・・・・・・・・・

紫電「そういえば、君はなんでハンターになったんだ?」
  「ラグオルへの移住が完了した今、ハンターズの仕事は少ない」

「私がハンターになった理由・・・・・」
今まで考えた事が無かった・・
父も母もハンターであったが故にそれが当然のことだと思っていた
だから私には目的がない・・ユウさん達に惹かれるのも
目的ある人だからなのかもしれない

紫電「まぁ、答えたくなければいいが」

「えぇ・・ごめんなさい・・・」
「・・あなたは・・どうしてハンターに・・?」

紫電「・・・俺はただ単に名をあげたかったから・・かな」
  「親を知らない俺は施設に預けられて育った、そしてある日外の世界へと出た・・」
  「外の世界(社会)で俺は蔑まされたような眼差しを浴びてきた・・
   生まれが違う・・親が居ない・・普通の奴等とは違う眼の色・・・・たったそれだけで・・」

眼・・?
そういえば・・紫電さんの眼は・・紅と黒が混じったような色・・

紫電「だからこそ俺はハンターになってそういう奴等を見返したかった・・
   結果・・それはできたが・・後には空しさだけが残った・・」

「・・・・・・」

紫電「総督は知っているな、その後俺は総督に従って依頼をこなしてきた」
  「だが、それが続く日常は、何かが物足りない・・
   だから俺は単身ラグオルに降りた・・未解明の土地へと」
以下略(第一部参照)

「・・・・・・・・・」

紫電「というわけだ、そろそろ行こうか」
「・・・はい」
ユウさん達もそうだけど・・皆過去を乗り越えて来てるんだ・・
私には辛い過去はないけど・・気持ちはわかる・・

再び二人は歩き続けた
日も落ちてきたころ、町を見つけた
入り口に立って見えたのは
 「ハーク」の名前、この町の名前なんだろう
二人は一日中歩いていた事もあり、宿をとりにいく

―――――――――――――――――

運良く一室だけ開いていた
無事に宿を取れた二人は、情報収集のこともあり
酒場へと向かった

        「酒場:煌」

紫電「さ、まずは飲もうか、酒は・・飲めるかい・・?」

オヤジくさいことを言いながら紫電はカウンターに腰掛ける

「あの・・お酒は飲めないんです・・」

紫電「はは、まぁいいさ。マスター、軽いカクテルと紅茶を」

カウンターの向こう側にいるマスターが返事をすると
3分と経たずにカクテルと紅茶が出てくる

紫電「・・・・・・っはぁ・・生き返るな」

カクテルを一気に飲み干す紫電を横目で見るリア

・・・一気・・・・・

紫電「さ、本題に移ろうか」
  「マスター、ちょっといいかい」

マスター「ん〜、なんだぁ?」

黒ひげを生やし、いかにも酒場のマスターの格好をした中年のごつい男
返事をしたのは↑だった

紫電「最近ここにフォーマーが来なかったか・・?こんな町じゃハンターズは珍しいだろ?」

マスター「フォーマーねぇ・・最近はみねぇなぁ」
    「なんだい?友達かい?」

紫電「ま、そんなとこさ、カクテルおかわりな」

マスター「あいよ」
    「お、いらっしゃい」

マスターが後ろを振り向こうとした瞬間酒場の入り口から若い二人が入ってくる

??「マスター、適当に作ってな〜」

マスター「あいよ」

入ってきた二人のうち一人(男)がマスターにそう言うと
リアの隣に座る
当然、もう一人のほうも座る

??「いやぁ、まいったな〜、宿がないとはな〜」

???「刻星・・少し静かにできないの?迷惑でしょ」

紫電「(刻星!?)」

刻星と呼ばれた男「ははは、すまんシエル、だが本当にどうするよ今日」
        「宿ないぜ・・?」

刻星・・その名前は第一部の最後参照

紫電「・・・なぁ・・、刻星・・ってのはあんたか?」

刻星「ん?そうだが、誰だアンタは」

シエルと話をしていた顔を紫電のほうに向け問いかける
二人の間に挟まれたリアは黙々と熱い紅茶をすすっている

紫電「ヴィクセン・・この名を知っているか?」

刻星「な・・に!?どうしてお前がヴィクセンを知っている・・」
  「まぁいい、どうせ聞いても答えないだろう・・直接体に聞いてやる!」

そういって立ち上がると脇にさげる刀を抜く
それと同時に酒場内の空気が変わり・・客はざわめき始める

紫電「・・面白い、やってやろうじゃないか」

そういって紫電も愛刀「雪月花」を抜く
アルコールが入っているせいか、やけに乗り気の紫電

不穏な空気が流れているというのにまったく動じないシエルとリア
一体どういう神経してるのだろうか・・

〜九話遥か彼方の刻〜

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